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【ブドウ】4月のぶどう畑: 新芽に宿る、明日の豊かさ

皆さま、こんにちは。アッシーリスガーデンです。

新緑の季節となった4月、私たちのぶどう園では、夏の収穫に向けた大切な準備が着々と進んでいます。冬の間じっと耐えていたぶどうの樹々は、春の陽気とともに目覚め、今まさに花を咲かせる準備を整えているところです。

今日は、4月下旬のアッシーリスガーデンのぶどう畑の様子と、私たちが独自開発した「組立式果樹棚」を用いた栽培技術についてご紹介します。小さな花穂に詰まった、大きな可能性をぜひ感じていただければ幸いです。

■ 花穂(かすい)の形成〜小さな粒に宿る甘い約束〜

4月下旬、ぶどうの新梢(しんしょう)からは「花穂(かすい)」と呼ばれる小さな集合体が現れています。これは、将来ぶどうの房になる部分。一つ一つの突起は、これから開花し、受粉を経て甘い果実へと成長していきます。

写真でご覧いただけるように、まだ小さく緑色をしたこの花穂が、数か月後には甘くジューシーなシャインマスカットの実になります。この時期のぶどうの樹を見ると、その生命力の強さに毎年感動します。休眠から目覚め、わずか数週間でここまで成長する姿は、自然の神秘そのものです。

アッシーリスガーデンでは、この花穂形成期に一本一本の樹を丁寧に観察します。花穂の数や大きさ、配置は、その年の収穫量と品質を左右する重要な指標となります。

■ アッシーリスの栽培法:特許取得の組立式果樹棚での栽培

私たちアッシーリスガーデンでは、自社の金属加工技術を活かして開発した組立式果樹棚(特許取得済み)を使った栽培を行っています。この独自の果樹棚には、以下のような特徴があります。

  1. 組立・分解が容易:必要に応じて形状や配置を変更できる柔軟性
  2. 強度と軽量性のバランス:厳選された金属素材と加工技術による耐久性
  3. 効率的な日照管理:ぶどうの生育に最適な光環境を提供する設計
  4. 作業効率の向上:栽培管理作業がしやすい人間工学に基づいた構造

さらに私たちは「根域制限栽培」という特別な方法を採用しています。不織布でできた専用ポットに植えることで根の伸長範囲を制限し、効率的な養分吸収を促進します。

この栽培法と組立式果樹棚の組み合わせによる利点は、

  1. 養分と水分の効率的な供給:限られた根域に必要な養分と水分を的確に届けられます
  2. 品質の安定化:環境条件を均一に保ちやすく、安定した品質のぶどうが育ちます
  3. 成長のコントロール:樹の栄養生長と生殖生長のバランスを適切に保てます

4月下旬は特に、花穂の発達を促進するための細やかな管理が重要な時期。組立式果樹棚の利点を活かし、一つ一つの株に最適な環境を提供するため、日々の観察と調整を欠かしません。

■ 多品種栽培〜それぞれの個性を引き出す管理〜

アッシーリスガーデンでは、シャインマスカット、ナガノパープル、グロースクローネ、天晴、クインニーナなど、多様な品種を栽培しています。4月下旬の管理は、これら品種ごとの特性を考慮した細やかな対応が求められます。

例えば、

  • シャインマスカット:花穂の充実度を確認し、過剰な花穂は早めに調整
  • ナガノパープル:均一な成熟と着色のための光環境の整備
  • グロースクローネ:脱粒しやすい特性に配慮した丁寧な支持と誘引
  • 天晴:耐病性が比較的低いため、予防的な環境管理を重視

組立式果樹棚の特長を活かし、最適な高さや角度で新梢を誘引しています。これにより、本来の美味しさや特徴を最大限に引き出すことができます。

この時期の管理作業は、後の収穫の質を左右する重要なポイント。特に花穂の配置や向きの調整は、健全な果実発達のための「設計図を描く作業」といえるでしょう。

■ 製造業と農業の融合〜アッシーリスならではの強み〜

私たちアッシーリスガーデンの大きな特徴は、株式会社ヤマナカの金属製品製造技術と農業の融合にあります。金属加工のノウハウを農業に活かすことで、従来の栽培方法にはない新しい可能性を追求しています。

特許取得済みの組立式果樹棚は、まさにその象徴。プレス加工、レーザー切断、溶接などの技術を結集し、ぶどう栽培に最適化された構造を実現しました。これにより、栽培管理の効率化だけでなく、ぶどうの品質向上にも貢献しています。

「半歩先の豊かさ」というアッシーリスのコンセプトは、このような技術と農業の掛け合わせから生まれています。伝統的な栽培技術を尊重しながらも、新しい工夫や改良を重ねることで、より美味しく、より安心して楽しめるぶどうを目指しているのです。

私たちの「Field to Mouth(採って、食べる)」の取り組みも、こうした独自の視点と技術によって支えられています。皆さまに美味しいぶどうをお届けするため、そして収穫の喜びを共有するために、今日も畑に立ち続けます。

■ おわりに

今回は4月下旬のぶどう畑の様子をお届けしました。次回は「開花期のぶどう畑」として、5月の様子をご紹介する予定です。

ぶどうが実るまでの物語を、これからも定期的にお伝えしていきます。季節の移り変わりとともに変化していくぶどうの成長を、ぜひ一緒に楽しんでいただければ幸いです。

「いつか実際にアッシーリスガーデンを訪れてみたい」と思っていただける方が増えることを願って。次回の更新もどうぞお楽しみに!